120219
先週金曜日はブラックフライデー。今日はサイバーマンデー。
年末の大セールの日として、日本では最近聞かれるようになった言葉と思いますが、あまりピンときてないのではないでしょうか?
ブラックフライデーは実はアメリカではもう何十年もの間の習慣ですが、これを知るためには、 Thanksgiving Day感謝祭を知る必要があります。
11月の最終木曜日の休日で、 年に1度家族や親戚が集まるために、5000万人近い人がアメリカ大陸を大移動するビッグホリデー。その翌日の金曜日からクリスマスセールが始まると決まっている。
大幅に値引きし大量に売ることで、昨日まで赤字だった帳簿が黒字になるぞ!とブラックフライデーと名付けられた。
それが年々エスカレートし、超目玉商品を揃え朝5時に開店する店も。それをめがけて人が殺到し、死者が出たこともあるほどの爆買いの日に。
さらにサイバーマンデーはパソコンが普及し始めた頃、月曜日にオフィスのパソコンから買うというところから始まった。それが経済のグローバル化と共に海外にも輸出。
ところがアメリカ以外、特にヨーロッパでは評判が悪い。元々の習慣である感謝祭がない(あってもここまで盛大でない)からピンとこないし、値引きも大したことないし肩透かしな感じ。
さらにブラックフライデーをボイコットしようという動きも。その大きな理由は、特にヨーロッパを中心に世界的に意識が高まる環境問題。
ブラックフライデーに象徴される大量消費のコンセプトをもう一度考え直そうというメッセージ。そして同じ金曜日ということで、グレタさんによる金曜日の高校生ストライキも。
一方ドイツではアマゾンで働く人により、労働環境の改善を求める抗議行動もあり、世界的に消費経済や社会の仕組みを見直そうという日にもなってきている。
しかしほとんどのアメリカ人にはそんな動きは右の耳から左へ・・・・というか構っていられない切実な事情が。
まず大量消費の国アメリカではクリスマスギフトを大量に贈る習慣がある。(一人当たりクリスマスにかける費用10万円以上)
また電化製品からおもちゃ、旅行や人気アプリまでが3割〜6割引になるのはこの時期だけだから、みな真剣にならざるを得ない。
さらに世界経済から見てもブラックフライデーの役割は大変大きい。
アメリカのGDPの7割は消費で成り立っている。
そして、多くの小売店はこのホリデーシーズンの1ヶ月に年間の3割を売り上げるとまで言われている。
つまり、今アメリカ の経済はギリギリのところで保たれていると言われている中、この時期に大量に売り買いが行われないとアメリカ経済自体が失速してしまうという危機感が。
世界一の経済大国がここで失速するわけにはいかない。つまりブラックフライデーは世界経済の生命線と言ってもいいくらい。
今のところブラックフライデーの滑り出しはかなり好調。サイバーマンデーもかなりの売り上げが期待され、全体的にはこの時期全体で去年に比べ4.2%の消費の伸びが期待されている。
それにしても「成長か地球環境か」という図式をいかにして変えて行けばいいのか?
この続きはまた次回に。