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アメリカではいよいよ賞レースが白熱してきました。先週日曜日には映画とテレビに与えられるゴールデングローブ賞今週末には俳優組合による映画賞 スクリーン・アクターズ・ギルド・アウォード、その次の週末がグラミー賞。
そして昨日、オスカーことアカデミー賞のノミネートが発表されました!
まず最多ノミネーション Jokerの11部門、バットマンの宿敵ジョーカー誕生をめぐる、現代社会への批判も込めた異色作品。ベスト映画、Joaquin Phoenixはベストアクター最有力
続いてスコセッシ監督得意のギャングものThe Irishmanが10部門、ベスト映画、監督賞と助演のアル・パチーノ、ジョー・ペシがダブルノミネート
タランティーノ監督のOnce Upon In Hollywoodも、ベスト映画、監督賞、主演のレオ、助演のブラピで合計10部門
第一次世界大戦をテーマに映像で魅せる「1917」が10部門
また、作品以外に注目すべきはストリーミングのNetflixの大躍進。どのハリウッド製作スタジオをもしのいで、The Irishman, Marriage Story などで合計24のノミネートをゲット。
まさに時代が変換期を迎えたというべき現象です。
そして、今年も論争なしではすまないのがオスカー!
主演男優にデニーロ(The Irishman)がノミネートされていないのはおかしい!助演女優にジェニファー・ロペス(The Hustler)がいないのはヘン!
さらに、毎年繰り返される受賞者や作品のダイバーシティのなさが今年も再び批判の的に。
NYタイムスは「今年もオスカーはその伝統を守り、非常に男性主導の非常に白い映画をノミネートした。」と嫌味をたっぷり込めてコメント。
実際に白人以外の俳優部門ノミネートは、「ハリエット」で主演女優にノミネートされたシンシア・エリヴォだけ
さらに、監督賞になると・・・これも毎年話していますが、女性が監督賞にノミネートされたのはオスカー92年の歴史の中でたった5人、
受賞したのは一人だけ(「ハート・ロッカー」のキャサリン・ビガロー)
そして今年は有力候補とされた「Little Women若草物語」のグレタ・ガーウィグがノミネートを逃し、全員男性に。
映画ファンのグローバル化、ダイバーシティが重要視される時代に、大批判を浴びたアカデミーでは、この現状を変えるために過去4年間、女性やマイノリティの投票メンバーを増やす努力をしてきた。それでも9000人と言われるメンバーのうちまだ68%が男性、84%が白人という状況 。
ちなみにカンヌ映画祭も同じ問題を抱えていたが、こちらの方が少し進んでいる。今年の審査委員長にスパイク・リー監督が決定、カンヌの歴史始まって以来初の黒人審査委員長の誕生だ。
そのカンヌで2019年のパルムドールを受賞した韓国映画の「Parasite 」が大健闘でベストムービー含む6部門ノミネート。アジア映画=マイノリティということで、今年のダイバーシティのなさを一気に解消?というわけにもいかないようだ。