03-31-20 9:40 AM EDT
ロックダウンとシャットダウンの違いについて少し情報を加えました。
最新情報はtwitterで更新しています
03-30-20 1:30 PM EDT
●ニューヨークに野戦病院が
コロナウイルスの状況ずっとお伝えしていますが、ニューヨークはついにセントラル・パークに野戦病院ができました。
ずっとお伝えしているように、ニューヨークでは既に医療がコロナの大波の飲まれそうになっています。
アメリカ、そしてニューヨークの状況は日に日に深刻度を増し、現在アメリカ全体の感染者14万人、死者2500人、中でもニューヨーク市内は3万3000人、死者776人、
最悪の場合全米で20万人が亡くなる可能性があると、国立感染研究所所長のファウチ博士が述べている。
市内の病院はどこも感染を防ぐためのマスクやガウンが不足、私の友人の看護師が働く大病院でも、先週感染した看護師が亡くなりました。
ところがニューヨークの感染ピークはまだ2〜3週間先、4月中旬ごろとされ、それまでに最悪で人工呼吸器もベッドも数万個単位で調達しなければならない。ニューヨークでは冒頭にお伝えしたセントラル・パークの野戦病院、コンベンションセンターも病院に改造、海軍の病院船も今日やってくる、でもまだまだ全然足りない。
市内の医療用具は1週間以内に底をつくと市長が絶望的な顔でコメントしています。
●2週間前のニューヨークは今の東京?
でも実はほんの2週間前には、私たちも事態をまだ甘くみていました。
3月14日の時点で市内の感染者は1日に50名増え150名(国全体で2200人)
ブロードウェーや大規模イベントなどが次々に中止になりました。
ところがその後急に増え始め16日には463人 (今東京は430人)
この時点で学校やレストランなどの閉鎖が決定しました。この時点で自宅避難が始まったのです。
その翌週から急激に感染者が増え続けた理由は、それまでほとんど行われていなかった検査が拡充したからでもありますが、ニューヨーク市の場合は少し違う。
発症した人々が次々に病院にかかり始めたからで、1週間高熱が下がらないのに検査もしてもらえず自宅療養しているというような人が少なくない。そのくらい検査も医療も追いつかない状況。
これがピーク時にはどういうことになっているのか?
そしてこの状況は全米の大都市にでも同時に起こり始めています。
●ロックダウンそれともシャットダウン?
ところでよく聞かれるのですがニューヨークはロックダウンしているのかという質問。
この用語の使い分け、特に誰かが定義しているわけではないようで、メディアや州や人によってもバラバラに使われているよう(そもそもアメリカ連邦政府自体も全く統制取れてないし)
で、私はNYなのでクオモ州知事の言い方に従うと、クオモ知事は現在のニューヨークの状態はPAUSE(ポーズ)で、学校、店や会社などがシャットダウンされている。
ロックダウンはQuarantine(隔離)と同じという意味で使っているようなので、それに沿って使っているつもり。
→学校や会社、お店がシャットダウンし自宅避難が義務付けられているが、ロックダウンはしていません。(隔離はされていない)買い物や散歩にも自由に行ける、地下鉄にも乗って街の外にも出られる。
街の外に出ると2週間の自主隔離が求められるがこれも強制ではない。
ただし6フィート=1・8メートルの距離をとる。Social Distancing ソーシャル・ディスタンシング
これを破ると今日から罰金が課せられることに。
ロックダウンは違う、強制力はもっと強くなり外部との行き来も絶たれる。クオモ州知事の言い方では中国の武漢はロックダウン。
ニューヨークでもロックダウンの話は何度も出ているが、ニューヨークのような850万人もの人が住む大都市でやると混乱とパニックを招く可能性があるため実施されず、あくまで一人一人の意思に任されている。
でも逆に私たちはいつロックダウンになっても不思議ではないと思っていて食料などを備蓄しながら生活している。心の準備もできている。
ほとんどの人はどこにも行かないので結果的にロックダウンとあまり変わらないかも。
でもこの2週間振り返ると、本当に全員がちゃんとそれができていたかは疑問は残る。公園でバスケしたり、十分な距離を保たずたむろする若者などが後を絶たないため。
●やりすぎても足りないコロナ対策
日本もおそらくこれから2週間が勝負。ニューヨークの失敗を繰り返さないように、
もう既にロックダウンしているつもりで生活した方がいいと思う。やりすぎて、大したことなかったね、となった方がいいのだから。
それが自分はもちろん、医療関係者や食品、物流など、働かなくてはならない人や、高齢者などリスクが高い人たちを守ることになるのだから。