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04-06-20 13:30 EDT
ニューヨーク、学校やビジネスがシャットダウンし自宅避難が義務付けられてから、4週目に突入、ついにピークにさしかかったかもしれません。
アメリカの感染者347,003人、死者10,335人、
ニューヨーク州の感染者130,689人、死者4,159人
ニューヨーク市内は72,181人、死者3,048人、
1週間前に比べ感染者も倍以上ですが、特に死者が増えている。ニューヨークでは1週間で4倍近く。2.5分に一人が亡くなっている計算に。みな家族や親戚、友達や同僚の誰かが感染者だったり、亡くなった人もいる。昼も夜も救急車の音が頻繁に聞こえる。道を歩いている人はほとんど見かけない。
クオモ・ニューヨーク州知事は、早ければ今週ピークが来るとしていましたが、先ほどの会見で、もしかするともう山頂まで来たかもしれないと言っていました。死者の数がこの2日続けて増えていない、入院する人の数も減って来ているから。しかし、もしこれがピークだとしても、その後すぐ下がるのではなくPlateauつまり 安定したそのままのレベルで、台地状のカーブを描いてしばらく続く可能性もあるということ。
しかし病院はもうキャパいっぱいいっぱいですから、「足りない設備や人手の中で不可能への挑戦になる」と言う言葉に、ニューヨーカーの間にも緊張感が高まっている。
一方トランプ氏は「これからアメリカにとって最も厳しく悲しい2週間になる」
アダムス公衆衛生局長官は「この世代によってのパールハーバーまたは911になる」(それほどのショックが来るという、アメリカ人にとっては一番わかりやすい表現)
政権のバークス医師は「今週はスーパーや薬局への買い物も控えるべき」
そして、ついにアメリカ人全員に対しマスク着用を勧告。
ところがトランプ氏は「自分はしない」と言ってるのが、相変わらず足並みが揃わない政府の対策を象徴している。
それでもアメリカ政府としてはこれまでで最も強い警告、というのも、ニューヨーク以外のニュージャージー、ミシガン、ルイジアナなど全米各地で感染者も死者も激増していて、ニューヨークに1〜2週間遅れてピークがやって来ると見られるため。
では一般人として何をすべきかというと、これまで通り家にこもるしかない。
どうしても外に出なければならない時は人と人との距離を6フィート(1.8メートル)に保つというSocial distancing(社会的距離戦略)を守る。戻ったら手を洗う。その上でマスク 。
そのSocial distancing今や全てのスーパーやドラッグストアでも入場制限がされ長い行列が。その行列もやはり1.8メートル離れることが定められ、店や地下鉄内では取り締まりが行われていて違反すると罰金も。
ほとんどの人は何より感染が怖い。そして命をかけて不可能と戦う医療者を思えば当然と思うようになっているのだが、残念ながら週末外に出かけた人が多かったため、今日から罰金が2倍の最高1000ドルに値上げに。
しかし今3週間前を振り返って思うのは、あの時よくここまで思い切ったSocial distancingに踏み切れたと言う事。逆にやっていなかったら今頃どうなっているのか考えるのも恐ろしい。
感染者も死者ももっと増えていたかもしれない。
実はsocial distancingはおよそ100年前のスペイン風邪の流行でも効果が証明されていたが、現代のニューヨークでは規模が違いすぎるから経済的リスクも莫大だ。
ニューヨーク市内の全ての飲食店がシャットダウンしたのは3月17日で、その時のニューヨーク州の感染者はまだ950人。その後会社もシャットダウン。
経済的ダメージを恐れるニューヨーカーに対しクオモ州知事は、
「まず人命を救うことが先決で経済はその後に対応する、すべて自分が責任をとる」
こうした言葉で州民を説得し、冷静に実行していく対策が他の州の手本にもなり、クオモ大統領なんて言葉も出ている。
実は全米で最も早く感染が広がった西海岸のサンフランシスコやシアトルでは、ニューヨークより少し早くsocial distancingを始めたが、どうやらその効果が少しずつ出始めているのではないかという情報が。
これからニューヨークがどうなっていくかわかりませんが、social distancingを守って、いい結果が出るように、他の都市にとっての良い例となれるように頑張っていきたい気持ちです。