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05-04-20
ニューヨークの感染カーブは引き続きゆっくりと下がり続けていますが、未だ1日におよそ700人が入院、200人以上が亡くなっています。そのため私たち市民はこれまでと変わらない自宅待機生活ですが、アメリカ全体で見ると混乱の週明けです。
ニューヨーク以外、アメリカ50州のうち半分以上の州で、段階的な社会経済再開が始まったからです。
連邦政府による自宅待機令が先月末で失効したからですが、残念ながら感染が減ったわけではありません。
アメリカの感染者は115万人を超え、感染増加率はほぼ平坦になったものの、先週末はこれまでで最高の5万人以上の感染者が出ました。死者も6万7千人を超えています。
連邦の再開ガイドラインは2週間に渡り感染カーブが平坦または下降が条件ですが、未だに上昇を続けている州も含まれています。
特に映画館や飲食店がオープンを始めたテキサス州では、毎日1000件もの新たな感染者が出ており、早すぎる経済再開によるセカンドウェーブが大きく懸念されています。
一体どうなってしまうのか、
トランプ大統領は死者の予測を最大で10万人に修正すると発表しています。
しかしもっと衝撃的な報道は、NYタイムスが入手した政権の未発表の内部資料で、それによれば経済再開したことで6月までに1日に3000人が亡くなる、つまり、現在の2倍の人が1日に亡くなるという試算があるということです。
それでもなぜこの時期に経済再開するのか、
先週の時点でコロナ失業が3000万人を超え、これ以上自宅待機していてはもう生活できないと言う悲鳴が上がっているからです。一方では自宅待機に反対する人たちが、銃を持って抗議活動する場面も報道されています。
しかし各州の経済再開の方針はバラバラで混乱も生まれています。
もちろん州により感染者数も違うから仕方ないのですが、国をまとめるリーダーシップの無さを指摘する声も大きくなっています。またトランプ大統領が再選のために経済再開を急いでいるという批判もあります。
一方同じ州の中でも都市部と遠隔地の違い、また同じ遠隔地でも、大きなクラスターが生まれている場所とそうでない場所があり、大きな温度差が生まれています。中でも大きな問題になっているクラスターが全米の老人ホームで、トータルで2万人が亡くなっているという数字があります。
もう一つが食肉加工工場で、全米の大手食肉工場115件から、トータル5000人近い感染者が出ていると見られ、シャットダウンした工場も少なくありません。
そのため全米で肉が不足する恐れが出てきています。
買いだめを防ぐために、ニューヨークのスーパーでも、肉はひとり2パックまでなどの制限を設け始めています。
そのニューヨークでも週末は20度以上に気温が上がり、多くの人が公園などを訪れましたが、ほとんどの人はマスクをして2メートルのsocial distancingを守っていたようですが、
90人が警察から注意を受けたという報道もされています。
経済再開はまだ先になりそうなニューヨークですが、
そのための準備は既に始まっています。全米のみならず世界でも例を見ない1日4万人の検査体制でトラック&トレーシングをし、感染者を封じ込めようという計画ですが、既に検査数は1日3万人まで増えました。
また必ずやってくるであろうセカンドウェーブに対応するために、各病院がマスクなどPPEを90日分備蓄することが義務付けられました。
しかしこうした物資の多くは中国などからの輸入に頼っている現状、連邦政府のサポートが受けられるかどうかもはっきりしない、さてどうする?というので、ニューヨークを含むアメリカ北東部7州が連携することになりました。
これまでも中国からの輸入物資を全米の州、さらに連邦政府も参入して競合して買うという状況が生まれ、価格の高騰は特に予算が少ない地方の病院の経営を圧迫しています。
これに対し州が連携することで価格の高騰を防ぎ有利に物資を確保しようというものですが、こうした物資を輸入に頼らず地元で生産しようという動きもこれから高まって行きそうです。
こうした中で、各州で行われている経済再開がどんな結果をもたらすかを注視しながら、自宅待機を続けて行きましょう!