アメリカは今度こそ変われるのか?抗議行動@ハーレム・レポートWhere Are We Now? Justice For George Movement

06-01-20 (今日のラジオJFN/TOKYO FM系全国36局ネット On The Planetでレポートした原稿に加筆しています、色々起こりすぎてまとまりませんが生情報です。)

私が住むマンハッタンの黒人コミュニティ、ハーレムで土曜日の午後に行われた抗議デモの模様です。

 

警察の暴力に反対しBlack Live Matter 黒人の命も重要なんだというスローガンを叫びながら行進しました。参加者の多くが10〜20代の若者で、白人も黒人も混じり合い、とてもピースフルでパワフルなものでした。

これはもちろん先週月曜日ミネソタ州ミネアポリスで、無抵抗の黒人男性ジョージ・フロイドが、白人警官の過剰な暴力により亡くなった事件。地面に押さえつけられた彼の首を警官の一人が膝で押さえつけ、「息ができない、助けてくれ」という再三の懇願にも関わらず9分間に渡り続けた結果、その場で亡くなったことが検死の結果でわかっています。その一部始終は近くにいた10代の女の子が携帯でビデオ撮影しており、あまりにも無慈悲で人種差別どころか人の尊厳に対しひとかけらの敬意もない行為に、多くのアメリカ人は強い怒りを感じました。

これを受けて、現在全米の140都市で抗議行動が続いています。

アメリカでは400年の歴史の中で人種差別は常に最大の問題であり、特に刑事司法制度における黒人への扱いを中心とした制度的人種差別は、何世代にも渡る貧困にも直結しています。コロナウイルスの犠牲になっているのもこうした黒人貧困層であることが明らかになって来ています。

そして今回のように警官の暴力により不当に殺された黒人は、大きく知られているものだけで、約10年間で14名に上っています。

特に2014年にニューヨークで起きたエリック・ガーナーの事件は、「息ができない」と言い続けたにも関わらず警官は違法のchokehold(首を羽交い締めにするテクニック)をやめず結果的に死亡させたもので、今回の事件との共通点に背筋が寒くなるものでした。

こうした事件が起こるたびに改革が叫ばれながらも、また繰り返された事件に対し、黒人だけでなく多くの若いアメリカ人が怒りを爆発させた結果抗議行動を起こりました。白人や他の人種にも共感が広がり、イギリスやドイツ、ニュージーランドなどにも波及して50年前の公民権運動以来の大規模な抗議運動となりつつあります。

アメリカでは彼らの警察との衝突や窃盗が大きく報道されていますが、ほとんどは冒頭でお伝えしたように、若者による平和的なデモです。ハーレムのデモでは皆マスクをしできる限り距離をとって、とても真面目に問題に取り組んでいる雰囲気が伝わって来ました。

 

ところが夜になると雰囲気がガラリと変わり、昨夜は高級ブランドが立ち並ぶSOHOでも、お店のウィンドーが破られ多くの商品が盗まれました。警察署やパトカーが燃やされたりといった破壊行為があちらこちらで起こっています。

抗議行動自体は言論と表現の自由を行使し、民主主義の重要な要素として認められているアメリカでも、暴力は何があっても許されないし、暴力を振るえば伝えようとするメッセージも伝わらなくなってしまうというのは間違いありません。しかし単純にデモが暴徒化したと考えるのも間違っているようです。

デブラシオ・ニューヨーク市長は
「ほとんどの人が怒りをピースフルに表現しているが、一部が最初から暴力を目的にやって来ている。しかも彼らは組織的に動いている」。またニューヨーク市の逮捕者の2割以上は市外から来ていることもわかり、その関連が問われています。

ニューヨーク以外の各地でも、抗議行動に便乗し暴力での挑発や誘発を目的にした動きが行われていることがわかってきています。

ここ数日アメリカ各地からのニュースで、ハンマーを持った白人男性が店のウィンドーを破壊するのを、黒人たちが遠巻きに見ている写真や、白人女性二人がスターバックスの壁に「BLM(black lives matter)」とスプレーペイントで描いているのを、黒人女性に問い詰められて去っていく様子、また建物に放火して逮捕される白人男性の姿などが報道されています。白人だけが破壊行為をしているとはもちろん決めつけられませんし、破られたウィンドウから物を盗んでいく黒人もたくさん目撃されています。しかし抗議行動を利用した何らかの意図が働いているのは間違いないだろうと思われます。

 

さらに言えば白人至上主義者の関与も疑われています。またトランプ氏が数日に、MAGA(トランプサポーター)の参加を煽るような発言をしていたことも気になります。

一方トランプ政権はAntifa(アンチ・ファシズム)という極左のムーブメントを根拠なくやり玉に挙げています。

しかしいずれも彼らがいったい誰で何のためにやっているのか?その実態は明らかになっていません。

いずれにせよ問題の矛先をそらし、抗議運動を暴力的なものにして、人々の恐れを生み出す結果になっているのは間違いないようです。抗議運動自体はきちんとオーガナイズされているにも関わらず、こうしたネガティブな行為が起こることに、 憤りを感じている参加者も少なくありません。

コロナの最中に突然発生・拡大する抗議行動。50年前にあらゆる肌の色の人が人権を勝ち取った公民権運動と同様、第二の公民権運動としてアメリカを大きく変えることができるのでしょうか?11月の大統領選とも絡み合い、まだまだどう展開していくかわからない状況です。

そして今日トランプ大統領は各州知事に対し、とにかく抗議行動を厳しく取り締まれ、やらなければやられるぞ、と語気も荒く命じたという報道もあります。それに伴い警察や軍との間でさらに激しい衝突が起こる可能性も懸念されています。

そして今日ついにクオモNY州知事は夜11時〜朝5時までの外出禁止令を出しました。

ニューヨーク、そして他の各都市でもこれ以上の破壊や窃盗行為がないことを心から願っています。

 

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