06-22-20
(JFN/TOKYOFM 全国36局ネットのOn The Planetでレポートした内容に加筆再構成しています。)
全米で黒人への警察暴力と人種差別に反対するブラックライブスマター運動が続いていますが、このおかげでトップニュースを取れなかったトランプ大統領がついに返り咲き、というか大統領選まであと4ヶ月、ここに来てトランプ大統領支持についに陰りが出てきたかも?という話題です。
その主役は、トランプ政権のボルトン前安全保障補佐官による暴露本。明日24日火曜日発売!
その破壊力の凄さが大変な話題に。
これまでもトランプ本は山のように出版されていますが、全く影響力が違う。なぜなら今回の著者は安全保障補佐官という、アメリカの安全保障の最も重要な案件をトランプ氏と直接話し合って決めていた人、つまりこれまで人から取材して書いたような本と全く違う。
タイトルは「The Room Where It Happened」“それが起こった部屋“
17ヶ月の任期中まさにそこで行われた会話と目撃を生々しく記録。
実はこの本すでにメディアにリークされていて、ボルトン氏自身も昨日日曜日を皮切りに今メディアのインタビューに出まくっているが。
その中でも、トランプ氏は理性がなく中身もない、フィンランドがロシアの一部だったかどうかと質問してくるほどの無知で勉強もしないことを暴露。
そして去年ちょうど彼が関わっていたウクライナ疑惑や他の例も出して、こうした司法妨害は彼のway of life 生活様式であるとバッサリ。そして彼の関心はたった1つ「再選」だけで、そのためにはすごい集中力を見せると。
そんな中で、ボルトン氏が最も懸念しているのはアメリカの安全保障、
実は同盟国日本に対して今の4倍の8500億円というものすごい金額の防衛費をふっかけていたというのがニュースになったと思いますが、
逆に敵国である北朝鮮の金正恩とは歩み寄る様子を見せたが、それもメディア向けのパフォーマンスで終わり、北朝鮮に核保有国家としてのお墨付きを与えてしまった上に核軍縮に何の成果もあげられていない。
これでもしトランプ氏が2期目当選してしまったら、アメリカの安全保障は危機に陥る。(つまりアメリカの傘の下にいる日本の安全保障も)
絶対に彼を当選させるべきではない、自分も投票しないとキッパリ。
こうした発言の破壊力、これをリベラルのアンチトランプが言うのとはわけが違う。
そもそもボルトン氏はこれまで三人の共和党大統領のもとで働き国連大使も務め、保守共和党の中でも最も右よりのタカ派で保守の中の保守、これまで絶対に共和党に(共和党だからトランプ氏に)入れると考えていた多くの人が考えを変える可能性も大。
実はトランプ氏は連邦地裁に対し本の出版の取り下げを求めて棄却されているが。それほど読まれたくない本だったということに。
実はトランプ氏はコロナ危機とブラックライブスマター運動への対応のまずさが響いて、保守メディア・フォックスニュースの世論調査では民主党バイデン氏に12%もリードされている。
土曜日には久々の支持者集会があったが、100万人が申し込んだと発表していたにも関わらず、実際に参加したのは予想を大きく下回る、定員の1/3の動員にとどまっている。
これは若いK-POPファンらが大挙して参加登録して、姿を表さなかったらとも言われているし、パンデミックの中ソーシャル・ディスタンシングなしマスク着用なしという環境にさすがの支持者も腰が引けたというのもあるかもしれない。(登録サイトには、このイベントでコロナにかかっても訴えることはできないとの但し書きも)
ではトランプ氏は11月の大統領選に当選できないのか? これはまだわからない。
この続きはまた次回。