ブラック・ウォールストリート :アメリカの人種差別はこう作られた、必修ヒストリー・レッスン We Have To Know About Black Wall Street Now

06-23-20

JFN/TOKYOFM 全国36局ネットのOn The Planetでレポートした内容に加筆再構成しています。)

今日の話題は4つのドキュメンタリー映画ですが、実はこれから制作されます。

4つは全く同じ題材「ブラック・ウォール・ストリート」

舞台は99年前の1921年、日本は大正時代。
アメリカでは奴隷解放から50年くらいたったころの話ですが、もし、なぜアメリカで今ブラックライブスマター運動が起きているの?という疑問を持つ人には、一つの答えになるかもしれません。

その前に、そもそもアメリカになぜ奴隷制度があったかは知ってますよね?400年前、アメリカを発展させるためには 広い国土を耕す必要があった。

でも人手がないから、アフリカで黒人を誘拐して奴隷として使うことにした。

でも同じ人間だと良心の呵責があるから、黒人は野蛮で人間以下ということにした。そうすればムチで叩いても、たとえ殺してもいい。奴隷だからもちろん人件費はゼロ、子供ができればその子供も奴隷、おかげで奴隷制があった260年間でアメリカは大変豊かな国になった。アメリカはまさに黒人奴隷が作った国なのです。

その奴隷がついに解放されたのが1863年、

オクラホマ州タルサ市のグリーンウッドという街には何十年もかかって、アメリカの黒人コミュニティとしては全米一の豊かな経済が築かれ、ブラック・ウオールストリートと呼ばれるほどになりました。

(黒人と白人が一緒に住むのは違法だったから別の街ができました)

ところが1921年5月31日、この豊かな黒人の街を武装した白人が襲撃、300人が虐殺され、空爆により焼け野原となり1万人近くが家を失う大惨事に。きっかけは、近くの町で 白人女性に話しかけた黒人男性にレイプ容疑がかかった事。(当時は黒人が白人に話しかけるどころか、道で目を合わせることも禁止されていました。)

このままだと捜査なしでリンチで殺されるというので救い出しに行ったが、撃ち合いとなり、数に勝る白人たちにより街ごと破壊されたのです。その背景には自分たちより豊かになって行く黒人への妬みがあったとされています。警察も助けてくれるどころか襲撃に加担し、白人は一人も逮捕されませんでした。

そしてこの虐殺は歴史の教科書にも載らず、長いこと歴史に埋れていました。歴史は勝者が書き換えるというまさにそれです。

そして似たような白人による襲撃は他でも起こっていました。KKKという白人至上主義者の団体による黒人狩りも日常ありました。
黒人は野蛮だから白人が支配すべきだという論理で暴力を正当化して行ったのです。
何も知らない白人には黒人は野蛮で怖いものだというイメージが刷り込まれ、
白人に抵抗するとここまでやられるんだという恐ろしさは黒人の骨身にしみました。

今黒人が置かれている貧困や、ネガティブなイメージはこうして積み上げられたものでそう簡単には解決しない問題だということがわかりますね。

で突然ここから今の話、先週土曜日トランプ大統領が久々に大規模な支持者集会を開いたのがこのブラック・ウォールストリートがあったオクラホマ州タルサでした。

しかも、この集会当初は19日金曜日に予定されていたのです。

その19日というのはジューン・ティーンスと言って、南部の黒人奴隷が解放された記念日です。(実はこの日は南部の黒人の間では祝われていますが、ほとんどのアメリカ人は知りませんでした。こうした歴史は学校では教えられないからです。)

人種差別主義者的な発言を繰り返すトランプ大統領ですから、いくらなんでも黒人の歴史をふみにじるあまりに無神経な決定と大騒ぎになり、日程だけは1日ずらしました。

この場所と日程の選択が偶然なのか意図的なものだったのかどうかはわかりませんが、人種間の軋轢を利用してアメリカ人を分断することで当選したトランプ氏ですから、後者のように思えます。ただしブラックライブスマター運動がこれほど盛り上がらなければ、どこでいつやろうがここまで広く知られることはなかったかもしれません。

そんなわけでブラックウォール・ストリートに思わぬ光が当たることになって、これをもっと広く知らせる必要があると映画化が計画されているのです。

またニューヨーク州では来年はジューンティーンスは休日となります。考えてみればリンカーンの黒人の奴隷解放宣言だって記念日になっていないし、アメリカという国はそういう国だということです。でもその中で少しずつ前に進んでいることも間違いありません。

今回のブラックライブスマター運動は、白人の若者たちがawoke 目覚めて、こういう歴史を今スポンジのように吸収することでどんどん大きくなっています。黒人の命が大切だというブラックライブスマター運動はこうした白人アライ(協力者)に支えられています。

最後に、この話を通して何を言いたかったかというと、人種差別というのは目的のために作られたものだということです。
あなたが持っている黒人のイメージの多くは、400年の長い人種差別の歴史の中で、白人に都合のいいように作られたものだということを、忘れないでいてください。

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