11-24-20
(JFN/TOKYOFM 全国36局ネットのOn The Planetでレポートした内容に加筆再構成しています。)
日本シリーズも終わり今年の野球シーズンは終了。アメリカのメジャーリーグ、ワールドシリーズは今年は激しい選挙戦のさなかで気がついたら終わっていたという感じ。
しかし!シーズン終わってからビッグニュースになったのがこれ。
メジャー初の女性のゼネラルマネージャー誕生!!
ゼネラルマネージャーは選手はもちろん監督などの人事含め全てを統括する重役で、チームの名実共にリーダー。
メジャー30球団の1つマイアミ・マーリンズのゼネラルマネージャーになったのが、KIM NG( キム・アング)さん、
30年前シカゴホワイトソックスのインターンからスタート。ヤンキースでアシスタントGMつまりナンバー2、ドジャースでもアシスタントGMをつとめ、メジャーリーグ機構でも重役を務めたという輝かしいキャリアの持ち主。
そして今マーリンズの共同オーナーでCEOである、元ヤンキースのスーパースターのデレク・ジーターが彼女を指名。
実はキムさんは、メジャーリーグだけでなく、北米の男性プロスポーツ界で初めての女性GM。
さらにアジア系としてメジャーリーグ2人目のGMでもある。初めてづくし。
タイミング的にはカマラ・ハリス副大統領誕生の直後だったこともあり、スポーツの枠をぶち破って全米のトップニュースに。
このコーナーでもエンタメ界、スポーツ界をSDGsの切り口、特にジェンダーや人種のダイバーシティについてお伝えしていますが、メジャーリーグのダイバーシティについて見ると、ジェンダー採用の評価レベルはABCのC。つまりあまり評価は高くない。
メジャーで働く女性スタッフは全体の4割という中、 グラスシーリングはやはり存在するようで女性のヴァイス・プレジデント(上級管理職)は2割以下。さらにキムのようなピープル・オブ・カラーの女性重役はわずか4%、
一方メジャーでは初めての女性のコーチが今年採用されたばかり。(サンフランシスコ・ジャイアンツ)
そもそもメジャーは女性ファンが45%ですから、やはり実力のある女性が然るべき場所で活躍する時代に入ったということ。
ジェンダーはこんな感じですが、人種のダイバーシティで見ると・・・
またメジャーの選手は4割がピープル・オブ・カラーなのに30球団でGMはわずか4人をのぞいて全部白人。ちなみに今回キムを採用したマーリンズのオーナーでCEOデレク・ジーターも黒人と白人のバイレイシャル。
でもこの動きは今後ますます加速しそう。というのはバイデン新政権の重要ポジションに女性、ピープル・オブ・カラーが指名されているから。白人男性がほとんどを占めていたトランプ政権からうって変わって、ダイバーシティの実現という意味でもアメリカはまた新たなフェーズに入ったと言えそう。