12-07-20
(JFN/TOKYOFM 全国36局ネットのOn The Planetでレポートした内容に加筆再構成しています。)
前回レポートしてから2週間、まだ混乱は続いています。
まず先週金曜日カリフォルニアがバイデン氏の勝利を正式に認定し、必要な選挙人の数を確保。12月14日の選挙人投票、そして1月6日の議会で正式に大統領となり、20日に就任式。
一方先週バー司法長官が、大統領選には結果に影響するような大規模な不正はなかったと発言しトランプ氏の主張と対立。司法のトップの意思表示でトランプ氏逆転の可能性はかなり厳しくなったというか、まずありえないと見られています。
しかし、それでもトランプ氏のパワーは衰えない。
ワシントンポスト紙が共和党議員にヒアリングしたところ、249人のうちバイデン氏を勝者として認めると答えた人はわずか27人、二人はトランプ氏、残り220人はわからない、または回答なし。
その理由は前回もお伝えした通り、年明け1月5 日に行われるジョージア州の上院議2議席の決選投票。
現職二人の共和党上院議員と、民主党のチャレンジャー二人の戦い。
もともと共和党支持レッドステートのジョージアで、バイデン氏が勝利したことは全米にショックを与え、アメリカの人口動態が大きく変化していることを象徴する結果となりました。
だからこそ共和党は今回の決選投票前に危機感倍増。
もしこの2議席を民主党に奪われた場合、上院が50議席ずつでタイとなり、タイブレーカーが民主党の副大統領カマラ・ハリスになるため、事実上、大統領(政権)も、下院も、上院も全て民主党多数派になる。これを何としても阻止したい共和党は、どうしてもトランプ支持者の票が欲しい。
そこでトランプ氏は先週土曜日ジョージア州の支持者集会に参加。
引き続き投票の不正を主張し、州知事に対し臨時の議会を招集し選挙人をトランプ支持の選挙人に入れ替えることで選挙結果を覆すようプレッシャーをかけたが、受け入れられなかったと報道。(この州知事は2年前トランプ氏の支持を得て当選している)
しかしこの動きはかえって共和党のためにはならないという声も共和党から出ている。まず11月の投票では、僅差ではあるが共和党候補がリードしている。
ところがそこに不正があったと主張することにより、共和党支持者の投票意欲を削いでしまい、逆に反感を持つ民主党の投票率が上がり、民主党の勝利につながるのではないかという危機感も。
それにしても敗北しても影響力を与え続けるトランプ氏、この影響力どこまで続くのか?
バイデン 氏が次期大統領として就任すればその勢いは衰えるとする意見もありつつ、トランプ氏のパワーと寄付金調達能力をまだまだ利用したい共和党が、強い極右メディアをバックに「トランプ党」として続く、そして2024年トランプ氏または息子のドナルドJr.が出馬する、トランプ氏が独自のメディアを立ち上げるなど様々な憶測が。
トランプ支持の方、いろいろなご意見お持ちの方いらっしゃると思いますが、こうした動きがアメリカの分断を煽り続ける危険な状況を作るだけでなく、共和党自体がこれから少数派になる年配白人層の党として時代遅れの党になってしまうと警告する声も。
そしてその行方を左右するのが1月5日のジョージア州の上院決選投票ということになり、目が離せない状況です。