Opinion: 連邦議会襲撃は白人至上主義者のクーデター未遂 White Supremacists Attempted Coup at the US Capitol

1-10-21 9:30 AM

2021年があけて10日しかたっていないのに、もう1年が終わったくらい疲れた、それがアメリカ人の今の気持ちです。

トランプ支持者が首都ワシントンの議会に暴力によって突入、数時間にわたり包囲、占拠、略奪、爆発物の設置などを行い、少なくとも5人が死亡、多くの警官らが負傷しました。

この行為を表現するのに、暴動、反乱、そして民主主義を転覆させようとするクーデター未遂、国内テロという言葉も使われています。
そしてここで強く言いたいのは、これがアメリカ民主主義の危機であるのみならず、白人至上主義者によるクーデター未遂だったと言うことです。

まず経緯から振り返ると、昨日6日は議会でバイデン新大統領の当選を最終的に認証する日。通常なら30分以内で終わる形式的なものですが、トランパー議員100人以上が選挙の不正の疑いを理由に異を唱えたために審議が長引きました。

同じ頃ホワイトハウス前ではトランプサポーター(数万人?)が集結し、盗まれた選挙(根拠は全くなし、これまで50以上の訴訟はほぼ全て却下)に抗議する集会が行われていました。

スピーチでこのトランプ氏は「我々は勝ったのにそれを盗まれた」と繰り返し、

「この後一緒に議会へ行こう。弱さを見せては国を取り戻すことはできない」

この言葉がトリガーになったとされ、支持者ら数百人が議会に突入。一時はロックダウンとなり議員やスタッフが逃げまどうまるで戦場のような状況に。議場で床に伏せる議員たち、破られたドアガラスに銃口を向けるシークレットサービス、略奪された下院議長のオフィスで机に足を乗せてふんぞり返る男。そして大統領就任式が行われるバルコニーを埋め尽くすトランプ旗や武器を持った暴徒たち。こうしたシーンがテレビに映し出されそれを呆然と見ていました。

そのうちにいくつかの事に気づきました。

まずこんなにも簡単に議会が占拠されてしまった事の異常さです。実は支持者の間ではしばらく前から首都占拠の計画がSNSで回っていたそうです。にも関わらずこの手薄な警備。ワシントン市長は州兵の出動を要請していたが、トランプ大統領がギリギリまで拒んだとも報道されました。

廊下で警官がたった一人で暴徒に取り囲まれ必死に抵抗するシーンは本当に気の毒でした。かと思えばホールで観光客のように写真をとったり落書きしている人を警官は止めないどころか、一緒に記念写真をとっている者もいました。彼らは不法侵入したにも関わらず逮捕もされず手を振って帰って行きました。本気で警備する気があるのか?と思ったほどです。

その中に白人至上主義の象徴である南軍旗が翻った時に、なるほどと思いました。

振り返って去年の夏、BLM(ブラックライブスマター_の平和的な抗議行動に対し警察は催涙弾やゴム製の銃を使って止めようとしました。トランプ大統領は州兵や軍を出動せよと叫び、実際ワシントンDCでホワイトハウスから徒歩数分の距離にある教会の前で写真を取るために軍を動員し、多くのBLM参加者を力で蹴散らしました。なぜ今回はそれをしなかったのでしょうか。それは黒人始めあらゆる肌の色の人が参加したBLMとは違い、今回の参加者はほぼ100%白人だったからです。
彼らが南軍旗を振りかざし、かつて黒人の首をつって殺したヌースと呼ばれる綱を吊り下げる示威行為は決して偶然ではありません。Proud Boys, Oath keepersなど極右、白人至上主義者のグループも参加していました。

これは明らかに白人至上主義者が中心となった行動です。そしてこれを見ても気分が悪くならない人、一緒に行動して異を唱えない人は残念ですが全員人種差別主義者と言われても仕方ありません。

これに対しトランプ氏は暴力行為をやめさせるためのテレビ演説などは一切しない代わりに、短いビデオで「平和に帰ってください」と言いつつも 「盗まれた選挙に怒る気持ちはわかる」と暴力を正当化するような言い方をした上に、「We love you, you are very special」と彼らを讃え煽るような発言をしました。

これを聞いて、2017年シャーロットビルで白人至上主義者が「ユダヤ人に俺たちに取って代わらせるな」と行進し、白人女性を轢き殺した時に「彼らにも良い人はいる」と言って擁護したトランプしの発言を連想しなかったアメリカ人はいないでしょう。

白人至上主義のアメリカはネイティブアメリカン虐殺と黒人奴隷制度とその後の人種隔離をやっている確信犯です。トランプ氏のMake America Great Againのスローガンが、白人だけが権利を持ち豊かさを享受できていた時代に戻るという潜在的なメッセージだからこそ、これだけ多くの白人に共鳴している事ももう否定できないはずです。

彼らは議会を占拠してこう言いました。「ここは俺たちの家だ、帰らないぞ。」白人にそう居直られると、そうなのかな?と思ってしまう、でもこれが黒人や私たちのようなアジア人だったらあっという間に手錠をかけられる、抵抗すれば撃ち殺されている事でしょう。はっきりとダブルスタンダードが存在するのがアメリカなのです。この夏のBLMがそれを証明しています。(なぜそうなったのかはこちらを読んで見てください)

この事件から私たちが学べることはいくつかあります。

まず白人至上主義者を甘く見てはいけないということです。
今回のは物見遊山でついてきたサポーターが多かったために未遂で終わったからいいけれど、本気でやろうとしたらクーデターできてしまうことがわかってしまいました。あそこで本当に爆弾が爆発し、ライフルによる大量虐殺があり、議員が人質に取られたら?首都は制圧できてしまう、そうなったら革命です。民主主義はそれくらい危ういものだというとです。

では民主主義が失われるとどうなるのか?

多くのトランプ支持者は中国がてアメリカの職を奪いチャイナウイルスをばらまいたと信じている。テレビカメラに向かって中指を立てた女性は「民主党が政権を取ったらアメリカがコミュニストの国になってしまう!」と絶叫してたけれど、彼らは民主党を極左、リベラルをコミュニストというトランプ支持極右メディアがばらまいた嘘を信じている、自分たちはそれに立ち向かう愛国者だと名乗りつつ、民主主義の根幹である選挙を否定し、議会を占拠する暴力行為に及んだ。つまりやっていることはアメリカの民主主義の破壊以外なにものでもない。

このように議会が外部からしかも自国民によって攻撃されるのはアメリカ史上初めて、南北戦争の時でさえなかったことです。アメリカ民主主義そのものを否定する行為として衝撃を与えています。
でもそれだけではありません。アメリカは超大国として 中国・ロシアの独裁超大国に立ち向かう民主主義の最後の砦にもかかわらず、このような脆弱さを見せてしまったことに危機感がつのっています。なぜなら外敵というのは必ずこういう弱さにつけこんでくるからです。

その結果本当にアメリカの民主主義が失われたら、それこそ世界の全てが独裁に飲み込まれてしまう。そうなったら彼らが叫んでいる自由や権利も失われてしまうことには全く気づいていないようです。民主主義はお互いに決め事を守るという信頼によって成り立っている。それが失われ暴力がはびこると、それに対する規制をせざるを得なくなり警察国家への道を辿り自由は失われます。

アメリカの混乱の核にあるのは人種差別問題です。
歴史の中で脈々と行き続ける病根が、ここ20年ほどの急激な格差の拡大でミドルクラスが失われ社会が不安定になるにつれて顕在化してきたものが、それを利用して当選したトランプ氏とコロナによる社会の混乱でハッキリしました。

だから分断は恐ろしいのです。アメリカの民主主義が内側から崩壊する危機を孕んだいるからです。アメリカの民主主義が崩壊したら日本もどうなるかわかりません。風が吹くと桶屋が儲かるみたいな話に聞こえるかもしれませんが、今のアメリカの人種をめぐる分断はそれだけ深刻に日本を含め世界に影響を与えています。

バイデン 政権の誕生まであと10日、内外からはトランプ氏の発言が暴力行為を煽ったと強く否定され、政権内ではトランプ氏を解任に持ち込む、または議会では新たな弾劾も検討されていると伝えられています。何もしなければ以前から噂されている戒厳令の発令や、イランとの開戦もないとはいえません。大統領が核ボタンを握っていることへの危機感もあります。このような事をあと1度でも起こさせない責任が政治家たちにはあります。

 

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