031621
(JFN/TOKYOFM 全国36局ネットのOn The Planetでレポートした内容に加筆再構成しています。)
グラミー賞見ました!?
今年はパンデミックで大劇場でできない分、パフォーマンスが最高に充実、Dua Lipa, Billy Eilish, Taylor Swift, Meghan Thee Stallionの放送コードギリギリのパフォーマンスまで。音楽の進化と多様化がよくわかる刺激的なプログラムでもあった。
だからこそ残念な点、それがなかなか賞に反映されていない、というどのアウォードも今直面している2つの問題に触れざるを得ない。ダイバーシティとトランスペアレンシー。多様性と透明性が足りない、それを時代が許さなくなっている、、これまでの古い体制にメスが入れられている。
今日本でも起きている様々なこととも大きな共通点が。
グラミーにも時代のreconingが来ているという話を今日はします。
まず始まる前の大きな論争。まずWeekndが1部門もノミネートされなかった。
彼の曲「Blinding Light」は去年最大のヒットで彼自身スーパーボウルにも出場する最もホットなスーパースター。おかしいと思われてもおかしくない。そのWeekndは今後グラミーには参加しないとボイコット宣言。その他にも子供向けアルバム賞の5組のノミネートのうち、3組がノミネーション辞退。理由は選考に人種差別と女性差別があるから。
こうした審査の偏見や不透明さへの疑問は今に始まったことではない。
黒人アーティストが王道の主要4部門にノミネートされても受賞はできず、R&Bやラップ部門での受賞に止まるのもおかしいとずっと言われ続けている。その理由は、投票権を持っている音楽関係者の多くが年配の白人男性だからでもっと多様な人を取り込むという掛け声もここ何年か繰り返されている。(ゴールデングローブやアカデミー賞も同じ)
その上今年は内部で投票結果を操作しているのではという疑惑も出て大論争に。これに対応するために、主催のレコーディングアカデミー会長がわざわざ出演し、差別偏見をなくし、もっと開かれたグラミーにします、と宣言。
その言葉通り?確かに女性はたくさん受賞した。
ベスト・ニューアーティストはラッパーMeghan Thee Stallion、彼女の曲「WAP」k=きWapは2020年最も話題になった曲だから、これは誰もが納得。ベストアルバムはTaylor Swiftの「 Folklore」 これも間違いなく1番売れたアルバム。ソングライターに与えられるSong of the yearは HERの「I Can’t Breathe」これはBLMの年にふさわしい曲。
ところが4部門の最後、Record of the year で驚いた。
おそらく皆が期待していたのはMeghanがビヨンセをフィーチャーした「Savage」しかし、取ったのは去年主要部門独占したBilly Eilishの「All I Wanted」だった。その瞬間Billy Eilishが困った顔になった 。スピーチで「これはMeghanが取るべき賞だ」と繰り返し、とてもぎこちないムードが漂ったままの幕切れとなってしまった。ビリー・アイリッシュが悪いわけではないがどう見ても今年はビリーではなかった。これを見て、4年前アデルがアルバム賞をとった時「これはビヨンセがとるべきだったた」と言ったのを思い出さなかった人はいないだろう。
そのビヨンセが史上最多28個目のグラミーをとって、これは素晴らしいことだが、彼女は世界にこれほどの影響を与えながら、主要部門をとったのはたった1曲。(比べてテイラーはアルバム賞を3回も取っている)
BTSが取れなかったのをおかしいと思う人も多かったが、それでも彼らはコリアン・アーティスト。アメリカのアーティストで取るべきなのに取れてない人が先というので、それほど問題視はされていない。
果たして来年はもう少し皆が納得のいくグラミーになるのか?アウォードショーがダイバーシティと透明性という社会の要求にどう対応して行くのかはますます大きな課題に。