アジア系が2年連続アカデミー賞席巻するか?移民映画「Minari」がアメリカ人に響いた理由 Minari Resonates America’s Core Values 

4-21-21現在のアップデート

Minariは現地時間25日に発表されるアカデミー賞に6部門(作品賞、監督賞リー・アイザック・チョン、主演男優スティーブン・ユアン、助演女優ユン・ヨジュン)ノミネートされています。ユン・ヨジュンは受賞確実との声。

ゴールデングローブでは外国語映画賞を受賞。

JFN/TOKYOFM 全国36局ネットのOn The Planetでレポートした内容に加筆再構成しています。)

内容は 02-22-2021 に執筆したものです。

今アメリカで大きな話題を集めている映画が「Minari」

ミナリというのは、韓国語でセリのこと。

韓国映画といえば去年アカデミー賞を取った「Parasite」を思い浮かべますが、「Minari」はサンダンス映画祭で審査員と視聴者賞両方のグランプリを受賞。今度の日曜日に発表になる、ゴールデングローブ賞にもノミネート。

先週末からオンラインでの限定上映も始まったので早速見たんですが、韓国の格差をショッキングに描いた「Parasite」とは対極にある内容。

これは韓国からアメリカに移民して農業で身を立てようと奮闘する家族の物語。

この移民の背景を少しお話ししておくと、

アメリカというのはそもそも移民の国ですが、最初はイギリスからの清教徒。続いてヨーロッパ諸国から、そしてアジア系という順番に移民。日本人の多くは19世紀の終わりから20世紀のはじめ、そして韓国人は朝鮮戦争の後1960年代から大規模な移民が始まった。

この映画の舞台は1980年代、

一度はカリフォルニアに移民した四人家族が、子供達により良い未来を残したいと、アーカンソー州の見渡す限りの緑の土地の一部を買い、農業を始めようするところから物語が始まる。

まずこの目にしみる緑と子供達の純粋無垢な表情だけでものすごく癒されるが、移民の暮らしは想像を超える苦労で、最後までハラハラドキドキが止まらない。

移民という世界共通のテーマを背景に、やはり世界共通のどこにでもある家族の関係と苦悩と、地元の人とのふれあいをとても丁寧に描き出していて、温かい気持ちになるし、私のような現代の移民が見ても、そうでない普通のアメリカ人の気持ちを引きつけている。ある意味パンデミックの年だからこそ、この優しさと温かさが心にしみるのかもしれない。

監督のLee Isaac Chungは自ら韓国系移民の子孫でこれは彼の家族の物語でもある。

主演のSteven YuenはWalking Dead で知られるアジアンアメリカンを代表する俳優。そしてプロデュースしたのはブラッド・ピットのPlan Bエンタテインメント 。つまりこれは、アジア系移民をテーマにしたれっきとしたアメリカ映画。

ところがここで論争が。

今週末のゴールデングローブ賞で「Minari」は外国語映画賞にノミネートされている。確かに韓国語での会話がほとんどだが、アメリカ制作でアメリカを舞台に移民を描いているのだから、外国語映画というのは違うのでは?という論争。どういう結果になるのか、そして3月15日にノミネートが発表されるアカデミー賞での動きにも注目。(日本は3月19日公開)

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