05-10-21
(JFN/TOKYOFM 全国36局ネットのOn The Planetでレポートした内容に加筆再構成しています。)
アメリカはついにワクチンの効果が出始め、危機から脱した、とバイデン政権の担当者がコメント。1回でもワクチンを接種した成人は58%
1日平均の感染者も平均4万人台まで下がっている。
この数日本の新規感染6〜7000人に比べるとずっと多いが、アメリカの人口は日本の3倍、1日の検査件数100万回の中の4万人だから、日本がどのくらい検査しているかわからないけれど、日本もかなり増えているなという印象を受けざるを得ない。
さて、世界最悪の感染国が世界最速のワクチン接種国になれたのはなぜか?それは当然国力の違いだというのはその通りですが、今回は本当にお金をかけた。
バイデン大統領が就任してすぐに通した200兆円ものコロナ対策予算が効いている。
ワクチン確保にも接種するにも多額のお金がいるのはもちろん、救済金や十分な失業保険があれば危険を冒して仕事に行かなくていいし、十分な栄養が取れれば免疫も上がる。
実は、この予算が大きすぎると野党の共和党は軒並み反対したので、これが共和党トランプ政権のままだったら、そして上院も共和党多数のままだったら、こんな予算は成立しなかっただろうし接種のスピードもずっと遅かっただろうと考えられている。(まさに去年の大統領選はコロナ選挙だった)
そしてバイデン 政権のコロナ対策予算が75%ものアメリカ人に支持されているのも、分断した今のアメリカでは驚きの事実。さらに予算に反対した共和党議員も、地元では自分の手柄のように言っているという報道もあり、政治家は勝手なものだと改めて呆れる。
さてそんなわけで1回でもワクチンを接種した成人は58%まで来た。
ところがそのスピードがここに来て落ちていて、このままでは集団免疫は達成できないのではという懸念が広がっている。
ワクチンに懐疑的な人、コロナ自体を信じていない人(特に共和党に多い)日本のように同調圧力というものがないアメリカ人は、あくまで自分の意思を通すから 彼らをどう説得して接種させるか?が課題。
ではどうするか?モノとお金でつるしかない、ということで、
ニューヨークではクリスピークリームのドーナツがタダでもらえる、から始まって、ヤンキースタジアムで接種すれば野球のチケットがもらえる、
デトロイトでは誰かを説得して接種させれば1人につき50ドルのギフトカード。
ウェストバージニアでは接種した若者に100ドルの貯蓄債権をプレゼント・・・
アメリカ人には経済を人命に優先してはいけないという反省がある。
当初の死者の予測30万人だったのが、早すぎる経済再開のために60万人近くに倍増したと言う痛い経験から学んだことだ。
そしてお金は使うべきところに使うべき、使うべき時にケチってはいけない。
これは日本でも同じと思う。