Now What ? 「だからさー、これからどうしろっていうのよ?」 アメリカ人がよく使う表現です。
お伝えしているように私たちニューヨーカー(スタテンアイランドを除く)の大多数はトランプ大統領を望んでいませんでした。
でも民主主義を信じてトランプ勝利を受け入れました、ショックのトラウマから立ち直る努力をしました。
オバマ大統領との異例のスピーディ会談を見ながら、世界への影響を考えると政権の平和な移譲をアピールする必要があると納得しました。株式市場が下落してしまわないように、私たちの生活と心を守るためにほとんどの人はbusiness as usual平常と変わらない週を過ごしました。そして・・・
Now What?
もちろん次期大統領は決まってしまったので、それに対しては何もできないかもしれない(それを覆そうとしいる人も実際います)。自分たちの民主主義のルールはレスペクトすべきというのはわかる。
どうしても納得できないことがあれば、それを無理して自分に納得させる必要はないし、むしろそれを言い続けるべき。なぜならどの民主主義も完璧なシステムというのはないから。そこで声をあげなけえば進化しないのも民主主義。そして4年後というのは思ったよりすぐにやってくる。今回は妥協しても次回そうならないためには今から畑を耕しておく必要がある。それにシステムもいつかは変わる、Why not now? Anything is possible 今じゃない理由はどこにもない。何が起こってもおかしくはない。何しろトランプが当選したんだから。こういう前向きさはアメリカ人の最高の資質だと思います。さらに言えば、言いたいことを言える、言論の自由が守られているヘルシーな状況にあることを確認する意味でも・・・なんてことを考えたのも、トランプ当選を予測した数少ない一人マイケル・ムーアのインタビューを読んだからです。
http://www.alternet.org/election-2016/michael-moore-anti-trump-do-list
「選挙に負けたらやるべき7つのこと」というタイトルで日本語にもなっているようので検索してみてください。これを読んで私と同じように「そういう方法もあるんだ!」と元気が出た方多いのではないでしょうか?
というわけでアンチ・トランプの道を選びたいという人がもしいらっしゃった場合のために(婉曲な言い方・笑)理論武装の方法を思いつく限り書いておきます。
1)ヒラリーは一般投票では勝っていた。つまり国民の直接投票で集めた票はトランプより多かった。なのになぜトランプが勝ったのかというと、「選挙人方式」という制度をとっているから。例えばニューハンプシャー州ではトランプがヒラリーに僅差で勝ったが、その差がどうあれ勝てば選挙人を「総取り」する。それが積み重なってトランプが勝った。そして知っている人も多いと思うが、このルールは一票の価値の不公平を呼び予てから非常に批判が多い。そしてこれを今から議論しておかないと、国が分断している今似たようなことがまた4年後に起こる可能性は十分ある。
2)今回の投票率はようやく過半数をキープして前回2回に比べて低かった。そのうちヒラリー、トランプ支持が半分ずつとして、トランプを支持しているのは有権者の4分の1しかいないことになる。私が見る限り、システムがめんどくさすぎるのが特に若者の投票率を下げている最大の原因。制度的人種差別の色合いも濃い。対策は?
2)トランプの差別的な発言や行動が彼が当選したことで、特に支持者の間で正当化され、リアルに社会に反映し始めている。これは一つ一つチェックしなおして、いちいちニュートラル化していかなければ。
メキシコに壁を作る、メキシコ人はドラッグディーラー:メキシコ移民だけでなくメキシコ人に対する侮辱と偏見差別
不法移民は強制退去させる:不法移民とはいえアメリカ経済を下支えしている貢献者。その子供達はアメリカ人として社会に受け入れられている。ニューヨーク市では彼らが銀行口座を開設して経済活動に参加できるように、無条件で作れるIDも発行している。こうした動きを無視した極端な政策。これまでは未来に希望を持っていた彼らは今恐れの中で暮らしている。彼は「移民が白人組合労働者の職を奪った」と思わせるようなレトリックを使っているが、誰かの利益を取り戻すために、他の人にすでに与えられたものを奪い取るという方策は民主主義のモラルとして間違いのではないか?
イスラム教徒はテロリストだから入国させない:不当な侮辱と偏見差別で恐怖の連鎖を生むだけ。イスラム教徒への嫌がらせや暴力はすでに始まっている。
妊娠中絶した女性には罰則を与える(これは撤回したけれど):全ての女性の運命を白人のおじいさんが決められると思っているのか?
俺はセレブだから女性は何でもやらせてくれる(でしたっけ?あまりにくだらなくて調べ直す気にならない、すいません私の過去記事をみてください):こんなことを言う人が大統領になるべきではない。絶対にありえない。
プーチン大統領の方が優れた指導者:プーチンは独裁者です。
まだまだあると思うので、気になった人はコメント欄に書き込んでください。
3)「ホワイトパワー」を振りかざす人たちをどうする?
今アメリカ多くの大都市ではミレニアルズの若者を中心にアンチ・トランプの抗議行動が続いています。ところがこれに対抗するトランプ支持者の一部が「ホワイトパワー」を標榜して、抗議行動に抗議しているという報道がありました。もちろんかつての公民権運動の時の「ブラックパワー」から持ってきてるわけですが、人種問題が全くわかっていない若い白人にちゃんとした教育を施すべきです。
ともあれ抗議行動が暴力にエスカレートしないことを心から願っています。
4)こうした抗議行動の他、カリフォルニアでは州として連邦離脱を掲げる運動、選挙人のトランプ指名キャンセルにより、選挙結果を覆そうというへの署名運動。共和党をつっついてトランプを弾劾裁判に追い込もうという動き。いずれも現実味は薄いけれど、とにかく色々やっているということをお伝えしたかったので書いておきます。
4年に1回しかない投票以外にも民主主義を行使する道があり、こう言う事が出来ている限りは民主主義は健全に機能しているということかも・・・となんとか楽観的なトーンで終わりたいと思います。