(JFN系全国ネット ON THE PLANETで月〜木で放送しているNYレポートを再構成しています、月曜日の担当はマシュー・まさる・バロンさんです。)
12-04 今日のトランプ
トランプ大統領、就任以来最大の快挙、と最大の危機が同時にやってきた。まず快挙の方、金曜日の深夜、初めての大きな法案、税制改革が上院を通過、成立が時間の問題になっている。ところが前日金曜日の朝には、トランプ大統領にとっては悪夢のような出来事が起こっていた。
元トランプ政権の国家安全保障担当の補佐官だった、マイケル・フリン氏が、ロシアとの接触に関し、FBIに対する虚偽の供述をした疑いで、起訴され有罪を認めた。
これは大きい、
去年の大統領選でロシアの介入があった。その際トランプ陣営も共謀して選挙結果を操作しようとしていたのでは?といういわゆるロシア疑惑で、ついに元閣僚が起訴。
ではフリン氏は何を虚偽供述したのか?去年12月オバマ大統領が、ロシアの選挙への介入に抗議して経済制裁を行った。その直後に、まだその頃は政権移行チームの一人だったフリン氏が、駐米ロシア大使に電話で「制裁には穏健な対応をお願いします」と頼んだ。
この行為事態は違法ではないという解釈らしいのですが、この「電話で何度か話した」という事、それ自体に関してFBIに嘘をついていた。
実はフリン氏にはもう一つ深刻な容疑がかけられている、自分の会社で、トルコ政府からお金をもらって政治的な活動をしていた。それをアメリカ政府に対して報告する義務があるのに、していなかった疑い。
こちらに対しては追求しないという条件で、FBIの捜査に協力するという司法取引をしたとみられる。
そして供述の中で「ロシア大使との会話は、政権移行チームの重要人物からの依頼でやった。」としている。
その重要人物が誰なのか? トランプ氏の娘婿のジャレド・クッシュナーではないのか? これを糸口にFBIはついにトランプ周りの切り崩しにかかるのか?
ところがこの問題、まだ ツイストがある。
思い出してほしいんですが、フリン元長官は2月に辞任している。
その辞任の理由も同じロシア大使との接触で、あの時はペンス副大統領に報告していなかったから。
その辞任の後、トランプ大統領が、当時のコミーFBI長官に対し、
フリン氏に対する捜査をやめてほしいと頼んだとコミー元長官は証言(大統領は否定)その後トランプ大統領は5月にコミー長官をクビにしている。その時に大統領は「ロシア捜査の事も頭にあった」と発言している。それじゃこれは司法妨害では? と大論争になった。
ところが土曜日に、トランプ大統領が謎のツイートをした。「フリン氏をクビにしたのは、ペンス副大統領そしてFBIに対して嘘をついていたからだ」
え? それじゃ大統領はフリン氏がペンス大統領だけでなく、FBIに嘘をついていたのを知っていてクビにしたの?それでコミー長官に捜査をやめてくれと頼んだのなら、やっぱり完全に司法妨害じゃないの?
これに対し、今度はトランプ氏の個人弁護士が謎の発言。
「あのツイッターを書いたのはトランプ大統領ではなく私で、書き間違えました。」
トランプ政権としては「フリンが一人でやったことで関係ない」と強気の姿勢。大統領自身は昨日から FBIやメディアを罵倒する大量のツイートを連発。かなり揺さぶりをかけられていることは間違いなさそう。
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