(JFN系全国ネット ON THE PLANETで月〜木で放送しているNYレポートを再構成しています、月曜日の担当はマシュー・まさる・バロンさんです。)
6月26日(月)放送
トランプ大統領のツイートが止まりません!
今週は、オバマケアに変わるトランプケアの成立をかけた投票があるとみられ、トランプ大統領にとって最重要事項、のはずなんですが、ツイートはそれについてではなく、ロシア疑惑です。
実は先週金曜日に、ワシントンポストが大スクープ記事を出しました。
2016年の選挙で、ロシアがハッキングなどでトランプ有利に持って行こうとして操作しようとしていた。ここまではアメリカのCIAやFBIなどすべての諜報・捜査機関が正式に認めていて、オバマ大統領も選挙後に、ロシアに対して経済制裁しています。
ところが今回ワシントンポストがスクープしたのは、
「この操作がプーチン大統領の指揮で行なわれていた証拠を、CIAが選挙前に握っていた。
オバマ大統領と安全保障の責任者数人のみが、それを 知らされていた。
オバマ大統領は、その時点でロシアに報復、制裁するかの選択を迫られた。
もしそうしていたら、ヒラリーが勝っていたかもしれない。
でも結局、もっと大きなロシアからのもっと大きな報復を恐れて、やらなかった。」
もっと大きな報復というのは、ロシアはやろうと思えば、大統領選自体をめちゃくちゃにすることができたかもしれない。
実は、アメリカ50州のうち、39州の選挙システムが、選挙前にロシアにハッキングされていたという情報もあるんです。
さあこれを受けてトランプ大統領のツイート乱れ打ちスタート!
まず「なぜオバマ大統領はわかっていて何もしなかったんだ?」というオバマ攻撃ツイート3連発、さらに、
「ヒラリーこそ民主党と共謀して、バーニーに勝ったんじゃないか」とヒラリー攻撃。
そして今日も朝から連発中。
「オバマが何もしなかったのは、どうせヒラリーが勝つと思ってたからじゃないか」
「オバマが何もしなかったのは、共謀で妨害だ」
「我々トランプ陣営がロシアと共謀したり、捜査妨害しているというのは根拠はないんだから謝ってほしい。」
いや、今それについて、特別検察官が正式に捜査をしているのですが・・・
相変わらず、わけのわからない煙に巻くようなツイート。
でもいいんです、現在38%のトランプ支持のアメリカ人は、フェイクメディアやフェイク諜報部より、トランプ大統領のツイートを信じているので。
しかし今問題として出てきているのは、トランプ政権自身がロシアの選挙への介入に対して、何の手もうっていないことです。2018年、2020年の選挙の時、一体どうするんだ? という危機感は、トランプ氏が所属する共和党議員の間でも高まっています。
手を打っていないどころか、ロシアが選挙に介入したこと自体を100%認めてないんですね。そんなのチャイナや他の国もやってるし・・・みたいにぼかそうとしています。
その理由は色々あるんでしょうが、まず自分がロシアのおかげで勝てたと思われるのがどうしてもイヤなんでしょうね。
もう一つは、あまりハッキリと答えない方が、その後の状況を有利に持っていけると思っているのかもしれません。
でも国の利益を考えたら、次の選挙のために早く手を打たなければならないはずなんです。
ところがロシア疑惑に関しては、トランプ大統領のツイートが世論を騒がせ、次の捜査のきっかけを作ってしまっていると言ってもいいくらいです。
自分がクリーンなら、さっさと捜査をやらせて無実を証明すればいいのにと、過半数のアメリカ人は考えています。
それができないのは、やはり何かロシアとの利害関係があると思われても仕方がない、というのも、多くのアメリカ人の意見です。
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