05-25-20
アメリカは今日はメモリアルデー3連休の3日目、メモリアルデーは戦没者記念日ですが、一般人にとっては例年だと全米で海開きの日。
アメリカは全ての州でロックダウン解除が始まっていますが、月曜朝のニュースでは、各地のビーチに多くの人が出て、ソーシャルディスタンシングどころではないマスクもしていない様子が報道。アメリカの感染者の累計160万人、死者も間も無く10万人、
少なくとも8州でまだ感染が上昇していて、セカンドウェーブを懸念する声も大きい。また場所による温度差も大きく、ニューヨーク州ではビーチはオープンしているが、遊泳は禁止で売店などもしまっている、
そして感染者が集中するここニューヨーク市内では、まだロックダウンが続いています。
国際面での報道は、感染拡大するブラジルからの渡航禁止が決定したことが大きく、その影に隠れてはいるが、日本での緊急事態宣言解除も報道されています。
4月に宣言が出た時は、遅すぎる、緩すぎるのではないかと懸念する報道が目立っていたのが、今日のNY Times記事では、こうした状況にも関わらず予想以上の成功を収めたと伝えています。またNPR( National Public Radio)では、安倍首相の対策への批判が高まっていることも報道しています。
実は今、アメリカから見て今日本に関する関心は2つ。
まず来年のオリンピックが無事開催できるのかどうか?これはワクチンや特効薬がいつ出るかにも関わっていく今後の問題なので追ってフォローしていきたいと思います。
もう1つは、なぜ日本はこれほど感染者も死者も少ないのか、ミステリーという言葉を使って報道されることが多くなっています。中国のすぐ隣にあり、世界有数の高齢化、検査が極端に少ないのにも関わらずニューヨークで起こったような急激な入院者の増加は見られなかったし、ランダムな抗体検査の結果も東京は 0.6%、ニューヨーク市の20%と大きな差です。
興味深かったのは、Foreign Policyという雑誌の記事で、これほど感染が防げたのは、日本人の文化的特徴: もともと他人との距離が離れている、握手もしない、マスクや手洗いなどの衛生状態の良さなどに加え、他人の目を気にする傾向、さらにものごとを心配する傾向が強い、それが注意深さに繋がって功を奏したという意見です。そして心配な時日本人は進んで自粛するのではないでしょうか。
しかしそれが逆に、一部での医療者や感染者へのネガティブな反応にも現れたのではとコメントして、アメリカやヨーロッパで医療関係者へ降り注がれる賞賛と感謝との温度差にも触れています。
この話をラジオ番組On The Planetの中でしたところ、パーソナリティで編集者の武田俊さんが「それはそうかもしれない」とおっしゃっていました。アメリカ人は独立心旺盛で自分で決めようとするのに比べ日本人は人の目を気にする傾向が強いようで、「自粛ポリスという言葉もある」と教わりました。
ちなみに確かにアメリカ人は国民性として自粛ってしません。命令されても「自由の権利の剥奪だ」と抗議してくる。店に入って来た人に「マスクしてください」と注意して撃ち殺されたという恐ろしい話もあるくらいです。さすがにこれは極端な例ですが、マスクしないのも自宅待機しないのも個人の自由と考える国民性のために、ウイルスがここまで広がったとも言えます。
そのため感染拡大したニューヨークでは、政府がものすごい勢いで検査し事実とデータの透明度をあげることで、皆が納得して自宅待機しているという、アメリカというのはこういう国です。
話を日本に戻すと、私のこのセオリーが正しければ自粛ポリスは役にたったわけです。ただ結果としては良かったと放送では言ってしまいましたが、やはり情報がない暗闇の中で不安や心配から自粛せざるをえない状況は、とても健全に言論や表現の自由が機能しているとは言えず、手放しに良いとは言えないなと今になって反省しています。